プロジェクトを操縦する6

id:juratena:20070326
プロジェクトは立て直された。結局計画より一週間遅れで完了(明日で完了する)。
元々契約の関係から年度内完了を請負ベンダが望んだため、3月末での完了の予定であったが、一週間分の人件費持ち出しで、(我々側の)計画バッファをすべて使い切る形となった。
ということで、我々としては、対お客様に関しては被害ゼロとなったが、請負ベンダとしては予想外の出費となったろう。この数週間、調達可能な人材のほとんどを投入し、過去に当組織に在籍したことのある人員も動員し、交代制を敷きながらコギつけてきたのだから、実際は一週間どころの増資ではなかろう。幾日かの徹夜も敢行したようだ。
立て直し屋としてやってきたマネージャは、当組織に過去に所属したことのあるエンジニアN氏だ。エンジニア時代からキレ者として有名だったし、実際そう言われるだけの結果を残してきた男だ。今では彼はいくつかのプロジェクトをマネジメントし、ラインマネージャの肩書きも持つまでになった。彼は、元マネージャK氏を

アイツはデキるヤツだ

と相当に評価していた。だからこそ、自分の後継に指名し当組織のリーダに任命した。元マネージャK氏は、応援が来てから表情はずいぶんと元に戻っては来たが、どこか昔と違うような気もする。おそらく、彼は自信を失ってしまったのだろう。自信がないから迷う、迷うから判断できない、判断できないからまた自身を失う・・・といった悪循環か。自信を取り戻すには、まだ、かなりの時間を要するだろう。

なぜこんなことになってしまったのか・・・

N氏は驚きを隠せない。それは私も同じだ。なぜこんなことになってしまったのか。
結果的に我々としては被害は無かったが、長期的に見て、K氏が自信を失ったということは、今後の運営に影を落とすことになるだろう。