プロジェクトを操縦する

追い詰められると人の表情は変わる。下請けベンダープロジェクトリーダー氏の人相の変わりようは、受け持つプロジェクトの状況を顕著に表現していると言える。彼の受け持つプロジェクトの状況は確かによくない。

進捗遅れが数週続いている。

週次の進捗ミーティングでここ数回進捗遅れの報告が続く。その度に対策を打っているはずなので、毎回毎回対策を打っているが対策の効果がでないということだ。問題を認識し、問題を分析して原因を特定し、原因に応じて適切な対策を講じる。ある作業がボトルネックだとするならば、作業そのものの難易度なのか、作業の環境(前工程などの諸条件)が整っていないのか・・・など。
対策を講じるが効果なしということは、原因の特定に誤りがあったか、適切でない対策を講じたか、あるいは対策を講じていないか、対策だと思い込んでいるがそれは対策でもなんでもないかいずれかだろう。
進捗のパーセンテージが大きく落ち込んでいないのは、週次で見直しを行うからだろう。要はスライドしているだけ、先送りしているだけだ。計画をスライドしきれない時期に到達すると・・・ボンッ!!だ。

チームの雰囲気が悪い。

活気が無く静かだ。仕様を議論したり、実装を議論したり、指摘しあったり・・・といった有用なコミュニケーションがなされているように見えない。ほんの前に完了した別のプロジェクトは、たくさんの問題を撒き散らしながらなんとか収束して完了したが、そのプロジェクトは少なくとも活発だったように思う。
雰囲気がよくないことの理由はたくさんあるし、そもそも雰囲気なんて主観的なものだから、見る人によって違うだろう。だとしても、コミュニケーションが不足していることは事実だろうとも思う。いかなる手段であったとしても、仮に静かなコミュニケーション手段を用いていたとしても良好なコミュニケーションが行えているのであればプロジェクトが危機的状態になるとは思えない。ヒヤリやハッとで終わるのではないだろうか。今の状況は、メンバーが同じ方向を向いているようには見えない。

品質が低い(と思われる)。

最終的な品質報告を得ていないので想定にすぎないが、おそらく品質も低いだろう。何せよろしくない状況なので高品質なものが生み出せるわけはないと想像できる。また、実施されているレビューの結果を見ても芳しくない。前日の[id:juratena:20070312:1173709331]の件からもそれがわかる。